「私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない」(イ・ミンギョン (著), すんみ (翻訳), 小山内園子 (翻訳))
読んだ本のメモを。
本書は江南駅で2016年5月17日に発生した女性嫌悪殺人を契機に書かれた本である。主に女性嫌悪に立ち向かう女性に向けて書かれている。著者のイ・ミンギョンが本書で何度も繰り返し説くのは、自身の精神衛生を第一に考え、聞く耳もたぬ者へはそもそも説明する義務など女性側にはないのだ、という考えである。
「誰かに話しかけられたとしても、必ずしも答える必要はありません」(位置:183)
「苦しみに耐えて、努力すべきなのは、あなたではなく「知りたい」と思う側なのです」(位置:240)
男性は、女性が女性であるがゆえに受ける差別を直観することができない。著者はこの原因を韓国の「家父長制」にみる。家父長制こそが男性に優位性を与え、女性を劣った地位に置き、男女の平等を阻害しているのだ。そして、家父長制と女性嫌悪はセットで考えられるのだ。
「女性とはいわば、枠の中に閉じ込められて剥製のようにされた存在です。その女性が枠から飛びだそうとしているのを目にしたときに生まれる拒否感が、女性嫌悪です。」(位置:1067」)
家父長制の枠の中から飛び出そうとしたときに女性嫌悪は発現するのである。
男女の平等を実現するためには、家父長制の変革が必要になると思われる。男性の「大変さ」も家父長制から来ているのであれば、家父長制を共通の問題とすることで男女が分かり合える地平が開ける。
テスト
男、40歳も近くなったのでブログなるものを記してみる。
中年男の心の機微や揺れ動く様を伝えていきたい。
伝わってほしい。